映画「ボビー」関連記事(1) |
シカゴ在住の江馬さんから、シカゴ・トリビューン紙(2006年11月30日)に掲載された映画「ボビー」関連記事を要約した手紙を送っていただきましたので、ご紹介いたします。 「‘Bobby’misses haunting stories」 (by Cory Franklin) 今回の映画では、創作上の人物たちのあの日の体験が描かれていますが、事実は小説より奇なり、実際にあの場所にいた人たちの体験です。 *ローズマリー・クルーニーさん ジョージ・クルーニーさんの叔母さんとして一番知られていますが、もちろん元は有名な歌手。民主党、そしてボビーのサポーターとして力が入っていたそうです。あの日も、ボビーが撃たれた時、ボビーのそばにいらっしゃったそうで、後々までそれがトラウマになっていたそうです。このトラウマが原因で、精神科に入院したこともあったとか。2002年没。 *ジョン・フランケンハイマーさん 映画監督(「Birdman of Alcatraz」や「影なき狙撃者/失われた時を求めて(The Manchurian Candidate)」等)。若く有望な監督として注目を浴びていたそうですが、その監督としての腕を活かして、友人ボビーの選挙運動のコマーシャルを演出したそうです。 当日は、フランケンハイマーさんが運転して、ボビーをアンバサダーホテルまで連れて行ったそうで、そのことをずっと悔やんでいたとのこと。その後は監督業を廃業し、ヨーロッパに移住。10年以上のちにアメリカに戻り、TV映画を何本か製作したそうです。 クルーニーさんとほんの数日違いで、2002年に没。 *ボビー・ダーリンさん ビートルズ以前のロックン・ロールのスター、ボビー・ダーリンさんです(ヒット曲「Mack the Knife」「Beyond the Sea」など)。 歌だけではなく演技も達者で、アカデミー賞にノミネートされたこともあったそうです。サンドラ・ディさんと結婚。ベトナム戦争の時に、反戦活動に入り、その後ボビーを支持。ボビーと実際に会ったのは、ボビーが亡くなる10日前だったそうですが、ボビーのことが相当ショックだったらしく、ボビーの葬儀に出席し、葬儀の後も長らくその場を動かなかったとか。 その後、芸能生活をほぼ停止し、トレーラーに住んでいたことも。晩年に芸能界に復帰したそうですが、もはやスターではなく、前座の歌手だったとか。1973年没。 *フレッド・ダットンさん 民主党の有能な戦術家。ジョン・F・ケネディの大統領選挙(1960年)、パット・ブラウンのカルフォルニア州知事選挙(1962年、リチャード・ニクソンを破った選挙)、リンドン・B・ジョンソンの大統領選挙(1964年)などで活躍。1968年にはボビーの選挙運動のマネージャーになったそうです。 ダットンさんは、ボビーを運ぶ救急車に同乗したそうで、10年後のインタビューで「ボビーが撃たれたとき、私も終わりました」と語ったそうです。故人。 1930年代、40年代に栄えたアンバサダーホテル。 あのボビーの事件が終焉の始まりだったようです。アンバサダーホテルは、ひとつの突然の死と、多くの長く辛い死の舞台となった、とマリリン・ジョンソンさん(『The Dead Beat』というボビー暗殺本の著者)の言葉です。 |
by kennedy-society
| 2006-12-28 20:39
| 映画「ボビー」
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